手形訴訟(手形・小切手訴訟)とは
手形訴訟(手形・小切手訴訟)とは、通常の訴訟よりも簡単な手続きで判決まで到達できる特別な訴訟手続きです。
債務者が発行した手形や小切手の現物を所持している場合に利用でき、証人尋問などの制度はなく、手形・契約書・領収書等、書面の証拠審査を中心に審理が進められます。
金額の制限はありませんが、手形・小切手による金銭の支払い請求と、それに付属する法定利率による損害賠償の請求を目的とすることに限られます。
また、判決結果に不服がある場合は異議申し立てを行うことができ、通常の裁判に移行する可能性があります。

手形訴訟(手形・小切手訴訟)のメリット
- 早くに判決が出る
- 裁判所での審理は1回のみ(一期日審理の原則といいます)、判決は口頭弁論期日が終了してから1週間から2週間程度で言い渡されます。
提訴から判決に至るまでの期間は、通常2ヶ月程度です。
- 提出できる証拠が限られている
- 手形訴訟の審理で証拠として提出できるのは、原則として書面に限られています。
言い換えれば、そのとき手形や小切手の現物を所持していれば、そのコピーを証拠として提出するだけでほぼ間違いなく判決を得ることができます。
- 強制執行が可能
- 手形訴訟の判決には仮執行宣言がつきます。
これにより判決が確定しない段階であっても、そのまま強制執行手続きに入ることができます。